いわま酵素マガジン 美と健康に役立つ情報をお届けするブログ

糖質制限の落とし穴~痩せるだけでいいのですか?~

こんにちは。
いわま薬局:ファスティングアドバイザー・酵素マイスターの石原です。

前回までは、[酵素って何?]ということで、
3回に渡って[酵素って何?~不足すると?~摂取するとどんないいことがあるの?~酵素たっぷり生活]
についてお話しました。
(ご興味を持っていただいた方はぜひ読んでみてくださいませ)
実は酵素がよくわからない人はこれを読んでください:パート1
実は酵素がよくわからない人はこれを読んでください:パート2
実は酵素がよくわからない人はこれを読んでください:パート3

本日は、直接的には酵素の話からすこしずれますが、今大流行の[糖質制限]についてお話します。
あまりに神的に推進され、極端な方法を継続する事で、トラブルも多く発生していることから
その中でも【糖質制限の落とし穴】ということで、

 ① だからって過剰なたんぱく質摂取はからだに悪い

 ② 正しく炭水化物を摂れば太らない

この2つについてお話したいと考えています。

私は酵素マイスターでありファスティングアドバイザーでありますが
その前にみなさまの健康と美容を作る事が大前提にあるので
ファスティングや酵素に直接関係なくても(栄養学なので最終的には繋がるお話ですが)
健康や美容については、どんどんお話してまいります。

まず本日は【 だからって過剰なたんぱく質摂取はからだに悪い 】から始めます。

【目次】
【1:過剰なたんぱく質摂取はからだに悪い!】
  1-1:日本の食生活の急激な変化と新しい病気たち
  1-2:だからってお肉ばかり食べると・・・・
  1-3:大切なのはスムーズな代謝

1-1:日本の食生活の急激な変化と新しい病気たち

具体的にたんぱく質を摂取しすぎたときに起こりうる弊害のお話をする前に
現代人の食生活の激変と、その代償を私達が病気という形で払っているという内容をお話します。

戦後から現代にわたって、高度成長という大きな恩恵を受け
私達日本人の生活が大きく変わった事は、皆さんもよくご存知だと思います。

それに伴って、食生活にも大きな変化が生まれました。

食事の内容ももちろんですが、安易な外食やコンビニの食事といったものが
今ほど当たり前になったのは、最近のことだと思います。

今、10代.20代の若い世代の方にはピンと来ないかもしれませんが
あなた達のお母さんお父さん・おじいちゃんおばあちゃんが育った頃の日本には
糖質制限なんて言葉すらなく、栄養の多くは野菜や炭水化物からの摂取でした。

今のように、肉!肉!肉!であふれかえる事もありませんし、
脂肪の摂取量も今では、炭水化物の摂取量に取って代わるかのように、何倍にも膨れ上がっています。

そうした中、食生活の変化と共に、大きく変わってきたのが[生活習慣病]による死亡者数です。

例えば、まだ日本が和食しか食べていなかった1950年と比較した場合、
前立腺がん・肺がん・脳梗塞の死亡者数が、それぞれ75倍・40倍・25倍を超えるという
異常な数字が示されています。

こう聞くと、これらの病気で亡くなる人が短期間で大量に増えたかのように思いますが、
そうというよりは、昔はこれらのような生活習慣病自体が、ほとんど見られなかったことを意味しているのです。

では、ガンや脳梗塞をはじめとする生活習慣病が”いきなり”多く出現した原因は何のでしょうか。

これは、厚生労働省ががまとめた[国民栄養調査]を見ると明らかなのですが
現代の日本人は、肉・牛乳・乳製品・油脂類の摂取が、
生活習慣病がほとんど見られなかった頃にに比べ非常に多くなっており
動物性たんぱくや乳製品の摂取は突出して増えています。

動物性たんぱくの摂取量が2倍に増え、植物性たんぱくの摂取量が3分の2ほどに減り
脂質の摂取量が3倍近くになった代わりに、炭水化物の摂取量は半分になっています。

食生活の激変に伴う、生活習慣病の増加は、戦後の[アメリカに追いつけ追いこせ]といった時代の流れに
栄養教育までが誤って乗ってしまった結果だと考えられます。

今や使い古されたフレーズにも思えますが、正に[食の欧米化]がもたらした産物だといえます。

今では、その欧米では、肥満や生活習慣病が大問題となり、
理想的な健康食である、昔ながらの日本食が大変注目を浴びているのです。

『糖質の大幅制限で大幅ダイエット!
肉やチーズ、ナッツはいくら食べても太らない!
ご飯は大敵!フルーツも糖分だらけ!』

この様な食生活を継続すると、
確かに痩せる可能性は高いですが、方法を誤り、肉やチーズやナッツばかり食べて
昔ながらの日本食を忘れ、からだを壊している人もたくさん居る事を少し頭の片隅置いて、
次の、具体的なお話[ だからってお肉ばかり食べると・・・・ ]を読んでみてください。

1-2:だからってお肉ばかり食べると・・・・

『肉は最善のたんぱく源であり、肉をたくさん食べればスタミナがつく』
これが、世間一般に、何となく浸透している”あたりまえの事”だと考えられます。

また、たんぱく質といえば、[肉・卵・乳製品]などの動物性のたんぱく質を最初にイメージしてしまう人が
大半だろうと予想できますが、間違いなく言えることは『肉を食べ過ぎればスタミナは切れる』という事です。

少し専門的なお話をすると、
食事で摂取したたんぱく質は、体内で分解されて22種類のアミノ酸となる事で、
はじめて利用できるようになります。

タンパク質とアミノ酸の関係は、よく真珠のネックレスに例えられ、
アミノ酸という真珠が1本の糸でネックレスのようにいくつもつながっているのがタンパク質です。
このネックレスのつなぎ目を、[消化酵素]というハサミで切断していくことでバラバラにして
一粒の真珠=つまりアミノ酸となることで、やっと体内で利用されると考えればわかりやすいかと思います。

(一部のたんぱく質は、アミノ酸が数個つながった[ペプチド]という少し大きな形でも利用されます)

アミノ酸は、血液を通じて全身に運ばれ、そこから[人間用のたんぱく質]に再度組み立てられます。
体に必要なアミノ酸が不足している場合は、別のアミノ酸から作り出すという作業が、
頻繁に体内では行われていますが、
必要であるにもかかわらず、体内で合成できないアミノ酸(=必須アミノ酸という)が9種類あり
それらは食事からバランスよく摂取することが大切となります。

そして、体内で[人間用]に組み立てられたたんぱく質の働きは多岐にわたります。

 ● 筋肉・骨・内臓・ホルモン・酵素などの材料になる
 ● 身体に必要な様々な物質や、有害物質を輸送する
 ● エネルギー不足の際には体内のたんぱく質からブドウ糖が作られエネルギーとして用いられる

単純に考えれば、牛や豚といった、人間に近い(=哺乳類の)肉を食べれば
肉→アミノ酸→人間用のたんぱく質の組み立てが効率的に行われる、
理想的なアミノ酸組成を得られると考えがちですが、たんぱく質はそういう単純な物質ではありません。

仮に、動物の肉だけで、必要なアミノ酸を得ようとすると、
1日に必要なカロリー摂取量を、かなり大幅にオーバーしてしまうだけではなく
動物性たんぱくの過剰摂取となり、様々な形で身体に負担がかかることになるのです。

①タンパク質というものは、構造が非常に複雑で、分解や代謝に多くのエネルギーを必要とするため
炭水化物と比べると、体に負担をかける、効率の悪い燃料と言えます。

②さらに、炭水化物と脂肪は、エネルギーとして使用された後は、最終的には[水と二酸化炭素]だけになりますが
タンパク質からは、エネルギーとして使用されたのち[アンモニア]という
非常に毒性の強い物質が必ず発生します。

アンモニアは肝臓でろ過され[尿素]となり、尿素は腎臓でろ過され[尿]として排泄されます。
つまり、たんぱく質を摂りすぎるという事は、肝臓や腎臓に大きな負担をかけるという事です。

③また、尿素は、排泄がスムーズでないと[尿酸]に変わり、関節周辺の組織に蓄積されやすいので
痛風のリスクも高まります。

④多くのたんぱく質を摂取すると、代謝副産物として酸性物質が作り出られるため、血液が酸性に傾きます。
体はそれを中和するために、骨や歯からカルシウムを溶かして血中に送り込み、酸/アルカリのバランスを調整しようとします。
同じように、肉や肉加工品には[リン]が多く含まれ、カルシウムが少ないのが特徴で、
血液中のリンとカルシウムのバランスを調整するために、身体は骨や歯からカルシウムを供給します。

これらのことから、骨や歯のカルシウムの損失が大きくなるほか、
骨や歯以外の組織にカルシウムが沈着しはじめ、それによって、
 ・骨折や腰痛
 ・筋肉のけいれん
 ・肉離れ
 ・視力低下
 ・アレルギー疾患
などが引き起こされやすくなるのです。

そして次の悪影響ですが、これは[腸活]を美容と健康の基本だと考えられる現代において、
最も悪い影響ではないかと言える[腸の危機]です。

【腸が危ない!】
先にお話ししたように、食べ物から摂取したたんぱく質は、そのまま体で利用されるのではなく
食物→アミノ酸やペプチド→人間用のたんぱく質といった形となります。

しかし、胃腸の健康状態が良くなかったり、ハサミ役の酵素の働きがおいつかないと、
たんぱく質が、アミノ酸やペプチドに分解されないまま
腸に到達してしまい、腸壁を通過しようとします。

そうすると、そのままでは人の身体にとって有害なたんぱく質は、
腸管の免疫細胞が[異物]として認識し、攻撃を始めます。

免疫細胞は身体のいたるところにあり、身体のどこか一部で[異物]の侵入があると
それに対する過剰反応(総攻撃)が始まります。
これがアレルギーなのです。

最初の方で述べた、生活習慣病がほとんど見られなかった頃は、
同じく、アトピーや喘息といったアレルギー症状も、ほとんどありませんでした。

小さい子供は、腸のバリア機能が未完成なため、大人に比べアレルギーが出やすい傾向にはありますが
現代では、子供だけではなく、大人にこのような免疫システムの乱れが多くみられるのです。

動物性たんぱくの摂り過ぎで、未消化のままのたんぱく質が腸に到達すると
悪玉菌の影響で腸内で腐敗が起こり、更に悪玉菌が増えるだけではなく、
大量の毒素が発生し、血液によって全身に運ばれてしまうため、ありとあらゆる体の不調がおこります。

腸内の環境(腸内フローラ)が大幅に乱れるので、免疫も下がり、様々な病気が引き起こされます。

詳しく知りたい方は
すべての不調は疲れた腸から その1
すべての不調は疲れた腸から その2
をぜひご一読ください。

以上が、糖質制限だからといって、お肉ばかりを食べていると
体には大きな負担があるという具体的なお話でしたが、
次は、ではどうすれば悪影響を減らし、健康的に効率よく、[人間用のたんぱく質]を作ることができるかをお話しします。

1-3:大切なのはスムーズな代謝

まずは、基本として、動物性たんぱくの摂取量を増やし過ぎないことです。

農林水産省が推進している通り(炭水化物量が多い)にする必要はなくとも、
極端な糖質制限をして、その代わりに、たんぱく質の過剰摂取になる様な食事バランスは避けてください。

ただでさえ、日本人は古来より炭水化物中心の生活が長く、それに合った身体の作りとなっているのです。
極端なたんぱく質摂取量の増加は、腸が長い私たちにとっては、とても負担となるのです。

次に、成分内容としては、しっかりとビタミンB群や亜鉛・マグネシウムなどをはじめとする
ビタミン・ミネラルも摂取できるお食事内を心がけてください。

体内では、たんぱく質をエネルギーに変えたり、アミノ酸を他のアミノ酸や炭水化物・脂質から合成したり、
アミノ酸から炭水化物や脂肪に転換したりという代謝が頻繁に行われており
それらの場面では、必ずビタミンやミネラルの介入があります。

さらに、摂取したたんぱく質をアミノ酸やペプチドにして利用するためには
ハサミ役の[酵素]が必須な事は、上でお話しした通りです。

上手くアミノ酸やペプチドに分解されなかった時の悪影響もお話しした通りですので、
たんぱく質の分解をサポートする上では、
タンパク質分解酵素を多く含む食べ物を意識して摂取することも大切となります。

 ・パイナップルの プロメライン
 ・パパイヤの パパイン
 ・キュウイの アクチニジン
 ・メロンの ククミシン

などといったように、生の果物や野菜、発酵食品には多くの分解酵素が含まれています。

どうしても、普段の食事で炭水化物の摂取を減らしたい方や栄養バランスを考えた食事が面倒だという方は
せめて、食前に上記の様な食べ物を摂取したり、

または、排泄の時間である[午前中]だけでも、たんぱく質の摂取を控え、
野菜やフルーツ(または自家製の野菜フルーツジュースや良質な発酵酵素ドリンク)のみの食事にする
といった事で、随分と悪影響はなくなると考えます。

当店で長きに渡っておススメしている【きせき・バイオきせき】は、
多種多様な酵素成分だけではなく、ビタミンやミネラルも多種多様に含まれ、
さらに、先ほどからお話ししている、[人間用のたんぱく質]を作る上でなくてはならない
[必須アミノ酸]も、9種全て含まれています。

発酵食品ですので、腸活にもぴったりです。
バランスの良い食事を毎日摂れる方には、不必要な健康飲料であると考えますが
なかなかそのような方は多くはいないと考えます。

せっかく口から入れた食べ物を、悪影響を減らし、効率的に使用するためにも、是非お勧めしています。

日本で栄養の事が語られる場合は、体を構成するための材料になるものを
いかに十分摂取するかという事だけにしか目が向けられない傾向にあります。

しかし実際は、いくら材料ばかりを入れても、それらが効率よくつかわれなければ
人間の身体は作られず、代謝も行われません。

それどころか、材料を入れるばかりで、きちんと使える状態にしなければ
体に多大な悪影響を及ぼします。

せっかく食べた食物を、ごみではなく、健康の材料にするためにはどうすればよいかに
もっと目を向けなければなりません。

肉を食べるなと言っているのではありません。
バランスの悪い摂取の仕方は、処理が追いつかず、体に毒になってしまう。
むやみに摂取量を増やすのではなく、たんぱく質の代謝を円滑に行うことが重要だという事なのです。

最後に、参考までに、
[肉ではなく] [代謝に必要な栄養素もある程度含み] [体に負担のかからない]
良質なたんぱく源をお知らせします。
 ・米
 ・豆
 ・小魚

米と豆では、一部の必須アミノ酸が足りていませんが、他のものと組み合わせることで解決します。
これらの食品と、野菜が多く使用された、日本の伝統的な食事は
たんぱく質の摂取、および体内での有効利用という点でも、大変優れているのです。

本日も、最後まで読んで頂きありがとうございました。

私もお肉は大好きです!
バランスよく食べて、せっかくのお肉が、効率よく利用さるようにしたいものですね。

次回は【② 正しく炭水化物を摂れば太らない 】を詳しくお話ししたいと考えています。

ご不明な点がございましたら、どの様な事でもお気軽にご相談ください。

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