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ボケたくないならこれはやめて!5選~健康寿命を延ばすために~

こんにちは。いわま薬局:セルフメディケーション担当です。
本日のお話は《認知症・痴呆》について。平たく言うと、『老後ボケたくない!!』と強く願っている方に、『だったら今からこの行動は絶対やめておいてください!』とお伝えしたい5選をお話ししたいと考えています。

筆者も50歳近くとなり、親世代に認知症の方が増えてきました。つい最近まで母と楽しそうにお出かけをしていた方が、しばらく見ないと思ったら、認知症でお出かけもままならない状態だと知った時の喪失感は、何とも言い難いものがあります。
今更、親世代に注意を促しても時すでに遅しです。必要なのは、認知症になってしまったら優しく介護する覚悟だけです。
ですので、せめて自分自身が今後、若い家族に迷惑をかけないようにしたという思いからこの記事を記しています。
同じ思いの方のお役に少しでも立てれば幸いです。

◆認知症

*認知症と健康寿命

そもそも認知症とは何か?昔よく言われていた《痴呆》や《ボケ》とは何が違うのか?と思う方いらっしゃいませんか。結論としては、《認知症・痴呆・ボケ》どれも同じ状態を表す言葉です。
《認知症》という言葉は、「ぼけ」や「痴呆」などの呼び方を廃止するべく、2004年に厚生労働省によって改定されたものです。
症状としては、さまざまな脳の病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障をきたした状態をいいます。

基本的に65歳以上の方に場合に認知症と言い、65歳未満の方が発症した場合は《 若年性認知症 》と呼び、寿命が延びているにもかかわらず、昨今 《 若年性認知症 》 が増えてきていることも大きな問題と言えます。
認知症になるという事は、もちろん寿命はまだまだ長くとも、健康寿命は終わってしまっているという事です。

私たちにとって、いわゆる生きてさえいればカウントされる平均寿命とは別に、病気などにより日常に制限がない健康な状態の寿命である《健康寿命》を延ばすことが最も大切なのですが、
現状は残念ながら、《平均寿命》と《健康寿命》には平均約9年ほどの差(実際は女性の方が3年ほど長い)があります。
これは、亡くなる前は平均9年も、不健康で制限のある生活をしなければならないという状態です。もちろん個人差はありますが、寝たきりや認知症で何年も過ごし、亡くなるという事は、私は個人的には絶対に避けたいです。

*日本の恐るべき現状

さて、平均寿命世界一の長寿国である日本ですが、同時に世界一の高齢化国であり、また《認知症大国》と呼ばれている事をみなさんはご存じでしょうか。
日本の認知症患者の割合は、全人口の2.33%、先進国35か国の中でトップとなっています。世界の認知症割合が平均1.48%という中では、かなり高い方であると言わざるを得ません。

また厚生労働省の発表では、2012年時点での65歳以上の方の認知症の人数は約460万人で高齢者人口の約15%ですが、2020年の時点で約602万人となり、更には2025年には約730万人となり、高齢者人口の約20%が認知症患者となるという推計があります。

お年寄りの5人に1人は認知症であるという計算になりますが、残りの認知症でない4人の中には《 軽度認知障害 》の方や寝たきり含め、介護が必要な方も多くいらっしゃるので、実際に制限なく(少なく)生活を送ることができる方はとても少ないように思います。

先ほどの推計では、私たち団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年頃には、65歳以上の方の約25%が認知症であるというデータがあり、高齢人口そのものが大きく増える中、認知症の割合も増えるので、計算してみると、全人口の約8.5~9%が認知症という事になります。
考えただけでも恐ろしいので、決して認知症の方を否定するものではありませんが、私は認知症にならないように今から努力したいと考えます。
みなさんも次の章の《ボケたくないならこれは止めて5選》を参考にして頂いて、ぜひ私と共に《stop!認知症!》を意識し健康寿命を延ばして参りましょう。

◆ボケたくないならこれは止めて5選

ではいよいよ、具体的にはどんな行動や習慣が認知症のリスクを高めるのかをお話ししていきたいと思います。
1つより2つ、2つより3つと、重なれば重なるほどリスクは高まる半面、やってしまっている人は、1つずつからでも止めて行けば、認知症のリスクはどんどん下がるという事です。
ぜひ意識して、少しずつでも認知症から遠ざかる生活をして行ってください。

*多めのアルコール摂取

認知症の中には、わざわざ《アルコール性認知症》と名前がついているものがあるほど、過剰なアルコール摂取は認知症のリスクを大幅に高めます。もちろん、酒は百薬の長とも言われこともあるので、個人差はありますが常に適量を摂取していれば大きなリスクにはなりません。

適量とは、 1日平均純アルコールで約20g程度であるとされ、缶ビール(500ml)1本、ワイン(200ml)、缶チューハイ(7%:350ml)、ウイスキー(60ml)が目安です。
また、女性では半分程度を目安とすることが好ましく、男性の適量とされる20gでは、女性は何らかの生活習慣病の原因になると考えられています。

しかし、日常的に飲酒する人の多くは、決して適量とは言えない量を摂取しているのが現実です。
このように言うと、『アルコール中毒でもないし、そんな大げさな』と言われる方が大半ですが、毎日缶ビール2~3本の摂取でも、すでに十二分に認知症のリスクを高めている事を忘れないようにしましょう。

あなたが何気なくリスクに気付かずしている飲酒習慣が、将来の認知症のリスクを高めている事に気づいたら、明日からは、週の半分は休肝日にする、3本を2本に減らすなど、完全に止めなくとも減らす努力はしてください。

また、ついでに言うとタバコも認知症のリスクを大きく高めます。たばこの害はお酒と違い明らかなので、体に害がないと思って続けている人はいないと思うのでここでは割愛しましたが、1口吸うたびに血管を収縮させ、血液の流れを阻害するタバコには、健康面だけで言いますと、百害あって一利なしという言葉がぴったりです。

*早期リタイア(家事などからのリタイアや孤独も含む)

昨今はFIREなどという言葉も流行り、経済的に自立を果たし、本来リタイヤするより若い年齢で仕事を辞めてしまうといった事もあるようです。
もちろん、お金に縛られず自由な時間を手に入れることは大変素晴らしく、私もぜひ叶えたい願いの一つですが、認知症のリスクと繋がる思わぬ落とし穴がある事をみなさんは知っておくべきです。

これは、何も早期退職に限った事ではなく、お子さんが巣立ったことで家事や育児を完全にやめてしまったり、面倒だからとご近所づきあいを急に止めたりすることも同じ理由でリスクがあるので、お仕事をされていない方も関係ないとスルーせず気に留めて下さいね。

この早期リタイヤが認知症のリスクになる最大の原因は、脳を使わなくなる事です。筋肉と同じで、脳は使わないとどんどん退化します。
1日中頭を使うようなお仕事はしていないから大して変わらないと感じる方もいらっしゃるでしょうが、それは大きな間違いです。
例え一見頭を使っていないとご自身が感じる仕事でも、めちゃくちゃ使っています。ご近所づきあいでも、仕事とは形は違えど人と関わる事になり、人と関わる、コミュニケーションを取るという事は、思った以上に脳を使用しているのです。
人と関わらなくても、家事育児はマルチタスクの業務なので脳がフル回転です。それらをすべてやめて、1日の大半をぼーっと過ごしたり、何となく日常を送り続けることは、脳をかなり甘やかしどんどん、どんどん退化させます。

ですので、早期退職や家事や人付き合いなどすべてやめてしまっても、私には他にやりたいことがある!とはっきり決まっている場合は、大いにリタイアしてそちらをするべきなのです。
いけない事は、早期のリタイアそのものではなく、したい事もないまま何となく辞めてしまい、何もしない時間が急に多くなってしまう事なのです。

似た理由で、《孤独》というものも、認知症にとってものすごいリスクとなります。特に年を取っている方の孤独は、うつ病と同じくらいの認知能力へのダメージがあると考えられています。
本ブログの最初に、すでに高齢になっている方には今からでは遅いことも多いと申しましたが、この孤独を防ぐことは今からでも間に合います。
大切な高齢のご家族が、孤独を感じていたり、孤独な状態にあると思われた場合は、時々会いに行ったり、ご近所や友人とコミュニケーションを取ってみるようにお声がけしてみても良いのではないでしょうか。

*運動不足

認知症の種類には、いくつかの種類があるのですが、認知症全体の7割を占めるアルツハイマー型認知症の1番の原因は、運動不足だということが、アメリカの2011年の研究で分かっています。
またフィンランドの研究では、週に2回以上運動していた人が、認知症になる確率が50%少なかったことが分かりました。
海外だけでなく日本でも、800人以上の高齢者を17年間追跡した調査がありますが、週に1回以上運動した人は、アルツハイマー型認知症になるリスクが40%低くなるという研究結果が出ました。 

さらには、生活習慣病があると認知症になるリスクが上がることが知られていますが、肥満、高血圧、糖尿病といった生活習慣病は、運動不足に因果関係があることは、既にみなさんの知るところでありますね。 

では具体的にはどんな運動が良いかですが、基本的にはご自分の好きな運動で良いです。何をしていいかわからないという方や運動があまり好きでない方は、ストレッチや有酸素運動はいかがでしょうか。
ストレッチは高齢になってからも可能ですし、有酸素運動は全身の血流を良くし、脳の細胞を活性化する効果が期待できます。
おすすめの有酸素運動はウォーキングや水泳、ラジオ体操などです。体力のある方はダンスも良いですね。

また、体を動かしながら何かをする「デュアルタスク」いわゆる「ながら動作」は、認知症予防につながる可能性があります。2つの動作を同時にすることで運動機能と思考機能を司る前頭葉を刺激させるのです
例えば、足踏みやウォーキングをしながら、「手を叩く」「クイズをする」「暗算をする」「しりとりをする」などです。
運動と課題を組み合わせた「コグニサイズ(国立長寿医療研究センター監修)」もぜひ、参考にしてみてください。 

*テレビの見すぎ

テレビを見すぎる事によって認知症のリスクが高まる要因は大きく2つです。
●脳が受け身になる事
●座りっぱなしの時間が良くない

まず脳が受け身になる事についてですが、テレビを観るということは情報を一方的に受け入れているという状態です。情報を聞くことにだけ集中して、考えるときに使う前頭前野が働いていないということなのです。
外から来た情報を受け入れているだけの時、脳は働いていません。つまり、テレビを観る時間が長くなるほど、脳が働いていない時間も長くなるということです。

認知症のリスクを研究している機関によると、40代.50代.60代にテレビを見る時間が長い人は70代以降の認知症のリスクが大幅に上がる、中年期にテレビをたくさん見ている人は後年、脳の機能が低下する結果が出ているので、テレビを見る事に代わる何か楽しい事を探すべきだと警告しています。

また、座りっぱなしが体に与える害は、みなさんが想像しているよりはるかに大きく、1日14時間以上座っている人は死亡リスクが40%も上がる研究結果がります。
また座りすぎによる事が、ガンや生活習慣病のリスクを高めることはすでに知られた事となっており、WHO(世界保健機構)は年間約200万人の死亡の原因が座る過ぎにあるとも発表しています。

日中デスクワークなどで座りっぱなしが多い人は、どうしてもテレビを見たい時はなるべく何かをしながらを心がけてはいかがでしょうか。

*認知症リスクの高い食生活

さていよいよ5選も最後ですが、やはり食生活は私たちの基本なので、この章が最も大切かもしれません。食事内容については、みなさんの口にしたものだけでみなさんの体は作られている事からも、たくさんの注意や改善ポイントがあることは間違いありません。
しかし言い出すときりがないので、最低限『これだけは摂りすぎに注意して欲しい』というものを2つ挙げますので参考にしてください

●生成された炭水化物
⇒真っ白い小麦や白米の摂りすぎ、上白糖やグラニュー糖などの精製されたお砂糖の摂りすぎは認知症のリスクが高まることが分かっています。特に精製されたお砂糖や小麦は、ありとあらゆる所に含まれており、意識しないと摂取しすぎてしまうので注意してください。

●加工肉
⇒加工肉はすさまじい量の添加物が入っている事でも有名で、認知症だけではなく他の生活習慣病などのリスクも大幅に上げます。50万人を対象にした、肉の消費と認知症の関係を調べた結果、市販のベーコンやソーセージ、サラミやハムなどの加工肉を定期的に食べている人は、認知症のリスクが40%以上、アルツハイマー型の認知症に至っては50%以上リスクが上がる結果となりました。

これらの精製された炭水化物の摂りすぎや、加工肉の摂取がなぜ脳に悪いかというと、まずはこれらが体に炎症反応を引き起こしやすいからだと考えられています。そして、加工肉においては、アルコールやたばこ同様、脳内に毒素が溜まりやすく、それが認知症のリスクを高めると考えられます。

●摂取すべきものは?
⇒認知症のリスクを下げるために、摂取がすすめられているものとしては、青魚(イワシ・サンマ・サバ)や、食物繊維やファイトケミカルたっぷりのキノコや野菜・果物・海草などです。
その他は、脳内の毒素(ゴミ)を無毒化したり排泄を促してくれる抗酸化作用の高い成分が入った食品の摂取も推奨されています。
そして、何かを摂るという《足し算》も大切ですが、やはり食べ過ぎは万病の元なので、食事の回数を減らしてみたり、定期的なデトックスのためのファスティングなど《引き算》の健康法を強くお勧めします。
ファスティングは、脳を若返らせる健康法としても昨今注目されており、脳の若返りは当然認知症のリスクを下げる事になりますので、ぜひ一度挑戦されてみてはいかがでしょうか。
3~4日のファスティングが難しい方は、1日のうちの16時間を断食したり、丸1日の断食を繰り返す事でも、大きな成果に繋がります。

◆まとめ

本日は、認知症大国ニッポンの現状と、少し怖くなる未来についてお話しし、少しでも認知症になるリスクを減らすためにもどのような生活をすれば良いかを詳しくお話ししました。
全てをいきなり実行する事は、気持ち的にもハードルが高くなるので、できることから少しずつコツコツ実行してください。続けていくうちに、認知症にならない生活スタイルが定着していき、老後に大きな成果となってくれると考えます。

また、アルコールやたばこ、日々の添加物や体内で発生する毒素などが、脳のごみとなって認知症のリスクを上げることも示唆されていますので、それらをデトックスできる《引き算の健康》も試してみて下さい。

●極度の運動不足の方は、まずは一駅歩くところから
●毎日お酒を飲む方は、週に1回の休肝日から
●外食やコンビニ食の多い方、つい食べ過ぎる方は週に一度の1日断食から
●テレビを見る時間が多い方は、見る時間を減らしたり、ながら見をしてみるところから
●老後にしたい事がない方は、少し周りの人と話す事から

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